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DIARY | 植物の形には意味がある | 園池公穀











「P.266」より抜粋

(中略)別々の木から伸びた枝が、ちょうどお互いがぎりぎり重ならないように接しているのを見ることがあります。心立てが優しい人はこれを見て「さすが植物はお互いに争わず、自らの分を守って共存共栄していて立派だ」と感動するのですが、実際には熾烈な熾烈な競争があります。
 植物は、人間のように、どこかにある頭脳によって戦略を考えて枝を伸ばすわけではありません。また、ある空間に十分光があるかどうかは、その空間に枝を伸ばしてみるまではわかりません。にもかかわらず、明るい空間に枝を伸ばして、暗い側には枝を伸ばさないように見えるのは、その裏に数限りない試行錯誤があるためです。ともかく伸ばせる場所に伸ばしてみて、そこに光が十分あれば、存分に光合成をして、さらに枝を伸ばしていきます。一方、もし暗い環境だった場合には、光合成ができず、それ以上枝を伸ばすのが難しくなるだけではなく、場合によっては枯れてしまうこともあります。

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「おわりに」より抜粋

形の専門家ではない人間が、植物の形の意味を、いわば素人目線から考えて書いたために (中略…園池先生は光合成の専門家。出版にあたり、形の内容について専門家に相談をされたそうです) 一部の妄想は「妄想かもしれない」と明記したうえでそのまま残したものもあります。それは「考える」ことのほうが、「正解を述べる」ことよりも大切だと思うからです。













葉は、表側は細胞が整列して並び

裏側では隙間をあけてランダムに配置される二層の構造をもっている
それは、葉の中に光を導き入れやすくし
また、受け取った光がすぐに出ていかないよう、たくさん屈折させて留めておくため

あの薄い葉の断面ひとつとっても、すごい仕組み!


タンポポの花は、黄色の丸い一輪が花のように思うけれど
花びらひとつひとつが「花」であり、だから綿毛のそれぞれに種がついてること
花を咲かせる被子植物は、虫を引き寄せ花粉を運んでもらうが
杉や松などの裸子植物は、風によって花粉が運ばれるから花がなく、飛散すること

など、日常よく見たり感じていることも、その意味まではなかなか気づかないもので
この本からいろんなことを教えてもらった


植物は環境に合わせ、必要なものを必要なだけ発達させ生きている






ここからは余談…
植物が生きるために必要なもの、光、雨、風
それらがもたらされる要因は、天候であり季節
そして、それが起きるのは、地球の傾いた地軸の自転と公転による天体の動き
わたしたちの日常も、朝、陽が昇ると目を覚まし
夏になると強い陽射しにより、汗をかき半袖になる
大いに天体の影響を受けている


食べ物においても、野菜は植物然り
魚、肉も元を辿れば、光を受けて育ったプランクトンや植物を食べて成長しているので
飛躍してしまうけれど、わたしたちも光を食べて生きているようなもの



天体と日常は思いのほか近い存在で
天体の動きが日常のリズムを生み出し、生きるベースとなっている



占星術は占いにカテゴライズされることが多いけれど
同じ天体の動きから生み出される気候を扱う「天気予報」ぐらいに
身近で、暮らしに溶け込むようなものになったらいいなと思うし

当たる時もあれば外れる時もある「天気予報」で人生を左右されないように
占星術も、すっかり頼るのではなく、行動を考えるひとつのヒントとして
役立つものになったらいいなと思うのです




感想から始まり、思いもよらぬ岸に辿り着いてしましましたが
植物をテーマに「考える」ことの大切さを伝えてくれるこの本は
大好きな1冊です


植物の形には意味がある (BERET SCIENCE) 園池 公毅 https://www.amazon.co.jp/dp/4860644700/ref=cm_sw_r_tw_dp_x_SUxwzbJQ8BNH





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「はじめに」より


(中略)残念ながら、この本でも、人様の役に立つ話はほとんど出てきません。世のため人のために役立とうという精神は貴重ですし、医学や工学といった技術の基盤をなすものですが、この本で紹介するのは、むしろ興味と知的好奇心に基づいた科学の世界です。この本を読んだあとに、役に立つことだけがすべてではないのかも、と思ってもらえるとよいのですが。